一番古いサポ仲間の話
その男との出会いは
大学時代にまで遡る
長野県から
神奈川県へと
進学した
大学とは全国各地
いろんな人が
集まっている場所
中学や高校とは
違うんだぜと意識した
とある教室が
その日の集合場所
教室の手前に
話しかけるチャンス
ドフリーな男がいる
誰も周りにいない
ドフリーである
ふかさなければ
間違いなくゴール
ここは勇気をもって!だ
「どこから来たのですか?」
「え…はい…長野県です」
「へ?NAGANO?」
「はい…実家は松本です」
なんじゃそりゃ
俺の高校の
友達の
中学時代からの
友達だった
ひとり暮らしの
アパートは
俺のアパートから
自転車で10分の所
B'zが好きで
野球もオリンピックも
スポーツ全般好き
大学生の今のこと以外で
話す話題がありすぎた
しかしだんだんと
スポーツについては
サッカーの話が
割合を占めることが
多くなってきた
Jリーグは
横浜か磐田か
東京か川崎か平塚
それ以外は日本代表
神奈川県内にある
スタジアムには
観戦で全て観て回った
故郷の長野県に
松本山雅という
チームが存在する
そこはまだ知らない2人
地元に
サッカーチームが
あったら最高だ
そんな話すら
当時はしていなかった
大学を卒業し
大学で過ごした年月と
同じくらいの
月日が流れた頃
卒業後も
頻繁に会っていたが
報道で発表のあの日
僕らはすぐに連絡をとった
あの松田直樹だ
よね?そうだよね?と
ここでも入口はまだ
松本ではなく松田
俺たちが学生のあの頃
スタジアムで観てた頃
ピッチで暴れまくってた
あの松田直樹
次に2人で
アルウィンに行ったのは
同シーズンの
SAGAWAとのゲーム
松田直樹逝去後の試合
メンタル的に
天国と地獄の
両方を味わった
それは唯一彼とだけ
その後
シーパスを買って
俺は本格的に
アルウィンへ通い出す
東京で働く彼は
それは出来ないが
それでも今は
関東アウェイほぼ100%
それ以外も
エリアによりけり約50%
あと勝負所での
アルウィンには100%
不思議なことに
約束なくても必ず会う
松本とサッカー
共通項がありすぎた2人は
最終的にこの2つで
落ち着いた
これは一生続いていく
野生の勘で感じる
かりがね練習場に
毎日足を運ぶ老後
パラソルの下
チェアに腰掛けて
練習を見守る
そしてそのまま
息を引き取とっている
理想の最期だね
と彼は言っていた
迷惑駐車以上に
クラブに迷惑をかけるな
と思いつつ
その考え方自体は
わからんでもないぜと内心
神奈川で巡り会った
同じ故郷松本の友
神奈川のチームで見た
スーパースター
最後に選んだチーム松本
そのチームを
一緒に応援している
1番古いサポ仲間だ
こうやって書いてて
だんだんと思い出す
あの大学の教室の前で
出会った時
彼はGregoryの
リュックを背負っていた
既に緑色のリュックだった